テスト2

いわむろやの直売所には、様々な野菜が毎日集まってきます。その時、一番おいしいもの、一番食べてほしいものを、農家さん自身が選んで持ってきてくださるので、店頭に並ぶ野菜は季節によってどんどん変わっていきます。いわむろやにいるだけで、その季節の「旬」を感じられるなぁ…と、日々思います。

 

そんな直売所に、8月の中旬ころから増え始めたものがあるのですが…みなさんお気づきでしたか?それは「果物」の数々です。粒の大きな葡萄が並び始めたと思ったら、お次は鮮やかなピンクの桃、そして最近は大きく実の張った梨!表情豊かな果物たちが、一気に店頭に並び始めました。入口近くのブースに、ぎっしりと並んだ果物たちに、当館を訪れた方みんなが立ち止まります。

 

 

 

どんな方が作っているのかな、そういえば野菜を作っている人には会ったけど、果物農家さんは会ったことがない…。と思い、果物を作っている方の話を聞くべく、農家さんのもとを訪れました。

 

 

 

今回伺ったのは、月潟で果物農家をされている、くだもの屋「にへじ」の渡辺さん。毎年、たくさんの果物を出店して下さっているとのこと。

 

カーナビの案内に従って、小さな路地に入ると…突如、左側に広がるのはリンゴの樹!秋の収穫を待つ、まだ青いリンゴを眺めながら道を進んだ先。見えてくるハウスが、渡辺さんの作業場です。なかを覗くと、桃や梨がぎっしり入ったコンテナが積まれており、脇の作業台の上には、ネットにくるまれ箱詰めされた桃が出荷の時を待っていました。

 

 

 

【おいしい瞬間をとどけたい】

 

ハウスのなか、作業台の上には、パッケージされた桃がたくさん。見ると…なにやらシールが貼られていました。

 

「常温で保存。香りが強くなったら食べごろ。」と、小さくアドバイスが。

 

そして収穫日が手書きで表記されています。

 

 

 

「工業品には、賞味期限や消費期限が表記されているでしょう?商品を一番おいしく食べられる期限、という事なんだろうけど。果物とか野菜には、付いていることは、普通はまずないよね。」

 

 

 

保存、調理して食べるのは消費者自身。保存の仕方によって状態は変わるため、期限を設けることができないのが事実です。

 

 

 

「果物にだって『食べごろ』があるから。作っている身として、一番おいしい時に食べてもらいたいっていう気持ちで、せめて収穫日を表記するようにしています。」

 

 

 

美味しく食べられるタイミングは、果物によって様々。さっきの桃は、木からもいで数日間熟した時がおいしいのですが…一方、梨はというと、一番おいしい瞬間にもぎ取るため、もいだ時がおいしさのピークなんだとか。なので、買った梨はできるだけ早く食べたほうがいいそう。そのため、梨のパッケージには「鮮度が大事!!」と書いてありました。

 

 

 

「このシール付け作業がなかなか大変なんだけどね…大量に採れる時期なんかは心が折れそうになるよ笑。でも、せっかく育てた子たちなんだから、食べる瞬間までいい状態で届けたいって思うね。」

 

 

 

収穫日を伝えることは、果物たちを活かすこと。食卓に届く時まで、渡辺さんのまなざしは向けられています。

 

 

 

【果物が、みんなを幸せにする。】

 

にへじさんの畑で採れた果物の多くは、新潟市内の直売所に届け、販売しているそうです。ご自宅用に購入される方はもちろんですが、贈り物として購入、発送される方も多いんだそう。(たしかに、果物って送られてくるイメージがあります。)宅配で運ばれるうちに、箱の中でずれないために、隙間がないように心がけているのだとか。

 

 

 

「もちろん、果物が傷つかないようにっていうのも理由だけど…。贈り物の箱を開けた時、綺麗に並んでいた方が嬉しいじゃん?ちょっとしたことだけど、印象は大きく変わると思う。」

 

 

 

確かに。2人に指輪を渡されたとして、コロッと乱雑に箱詰めされている方より、布を張った土台が付いてて、しっかり宝石が上を向いていた方が圧倒的に嬉しいですもんね。(たとえが違う?なにはともあれ贈り物は綺麗な方が絶対に良い。)

 

ん、よく見ると、果物が入っている箱には、可愛らしいイラストがプリントされています。「これ可愛いですねぇ!」と話すと…

 

 

 

「果物が入ってる箱ってさ、大きく梨の絵が描いてある隣に、わざわざ『梨』!って書いてあったりするでしょ?あれ、一般的だからみんな使ってるけど、あんまり可愛くないじゃん笑。どうせなら、果物を食べた後も、使ってもらえるようなものにしたいなって。」

 

 

 

この箱、サイズにもこだわりが現れていました。普通果物を送るときは5kgのサイズですが、この箱は少し小さめの2kgです。果物を送ることを、気軽に感じてもらえるように、また、1世帯の家族が増えている今、家族で十分食べきれる量を考え、このサイズに設定したそうです。受け取る側、贈る側、両方の気持ちを考えた結果が、この箱には詰まっているんですね~。

 

僕も、もし友達からこんな贈り物が届いたら、思わず写真を撮って「ありがとう~!」ってメールを送るんだろうなぁ…なんて思いました。贈った側も、贈られた側もハッピー。すべては小さな心配りの積み重ねのおかげです。

 

 

 

「そうそう、この箱ね、裏と表ですこ~しイラストが違ってるんだよ。」

 

 

 

ひょー、まだ遊び心が…笑!ちなみにイラストの間違いは4つ。僕は3つしか見つけられませんでした…。(見つけた人教えて…!!)

 

 

 

 

 

果物が元気な実りの季節。すでに多くの果物が届いていますが…8月下旬からは「イチヂク」が収穫期を迎えるとのこと。次回は、これから旬を迎えるイチヂク畑の様子をお届けします。